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インセンティブ交付金は、自治体による高齢者の自立支援や介護予防に貢献する取り組みを推進するために設けられた「保険者機能強化交付金」と「介護保険者努力支援交付金」の俗称です。
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるようにするための「地域包括ケア」の考え方に基づき、2018年度(平成30年度)から「保険者機能強化交付金」が創設されました。2020年度(令和2年度)からはさらに「保険者努力支援金交付介護金」が創設され、介護や健康づくりに力を入れた自治体が重点的に評価されるようになりました。
2023年度(令和5年度)には、制度の効果を高めるために、どのような成果が得られたのかを具体的に測る指標の見直しをおこなったことにより、支援金の配分が重要な取り組みに集中できるように調整をおこなっており、令和6年度の予算案として300億円を想定してます。
参考:厚生労働省「令和6年度 保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金 (市町村分)に係る評価指標の該当状況結果について」
地域包括ケアの「見える化」システムを活用し、他の地域と比較し自らの地域の介護保険事業の特徴を把握していること
ケアマネジメントに関する自治体の基本方針を、ケアマネジャーに伝えていること
要介護認定者の要介護認定の変化率はどの程度なのか改善すること
参考:内閣府「介護保険のインセンティブ」
インセンティブ交付金への取り組みは、都道府県や市町村のポイント獲得状況がネットで一般に公表されているため、自治体もその結果を受けて取り組みを強化するようになるでしょう。
その結果、ケアマネジャーに対する「ケアプラン点検」が今まで以上に強化され、地域ケア会議も活発になることが予測されます。
このことが訪問介護事業に与える影響は、以下2つです。
ケアマネジャーがケアプランを作成する際に訪問介護を位置づけなければ、私たちはサービス提供ができません。
ケアマネジャーが自信を持って、第三者に事業所を位置付けている説明が出来る状態であること、(第三者が見て質が良いと明確に判断できること)、また、自社ケアマネジャーに頼らず訪問介護が単体で売り上げ、単価を上げる戦略を考えていくことが大切です。
このことから、訪問介護は「特定事業所加算の取得」がより必須であるといえます。
今回は自治体が国から得ることができるインセンティブ交付金についてご案内しました!
一見事業所側には関係ないような制度ですが、この取り組みが強化されることで受ける訪問介護の影響はとても大きいものです。
誰が見ても「質が良い」といえる事業所であること、自社ケアマネジャーに頼らない運営をおこなっていくことは、介護報酬改定を迎え、安定して経営をおこなっていくために必要なことです。
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