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【特定事業所加算】IT活用の時代に職員と対面同等の連携が取れる環境例

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

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こんにちは、プロサポニュース部です!

本日は前回に引き続き、算定要件を満たすために必要な『環境』について、詳しくお伝えをしていきたいと思います!
前回の記事はこちら:【最新!】令和2年 訪問介護における特定事業所加算

 国が求めている必要な環境とは

特定事業所加算は、平成18年度に出来た加算であり、既に14年もの間、介護給付費の中に存在しています。

特定事業所加算が出来た平成18年当初は、直行直帰の職員が多く所属する訪問介護事業所の課題であった『ご利用者の支援に必要な申し送りが出来ない』『訪問介護事業所と訪問介護員との連携が取りづらい』等の、事業所と所属する訪問介護員との情報連携における課題を解決する施策を講じる事業所を評価するものでした。

このため、『ご利用者の留意事項伝達』『定例で行う会議』『健康診断の実施』等の算定要件は、対面で実施することを想定して作られています。
※特定事業所加算ごとの算定要件項目と、項目別のポイントを分かりやすくまとめた資料はこちら:3分で分かる項目別ポイント

時代は14年の月日を経て令和2年。
現在ではITの進化に伴い、ネットショッピングが普及し、リモート担当者会議が当たり前の様に開催される様になり、14年前に『対面で行われることが当たり前』だった事が『パソコン上で行われることが当たり前』の時代になりました。

インターネットやパソコン、IOTの普及を進める動きは、未だ書類の手書きが多い介護業界にもどんどんと波及しています。

国が求めている必要な環境とは、14年前の特定事業所加算設立当初には『対面で連携が実施できる環境』でした。
令和2年現在では『対面と同等の連携が取れる環境』へと変化しているのです。

 取得のための環境整備における課題

特定事業所加算取得のために必要な環境は『対面と同等』に連携が取れることです。

このため、少なくとも事業所にはパソコンやインターネット環境、訪問介護員と連絡を取り合う通信機器は必要不可欠だと言えます。

その他、算定要件を満たすためには以下が必要になります。

【必要な環境例】
〇パソコン
〇通信機器
※指示・報告のやりとり等に使用
〇研修実施のための講師・場所(インターネット上でも可)・資料
〇会議開催のための司会・場所(インターネット上でも可)・資料
〇健康診断受診のための病院(個人のかかりつけ医や自治体で実施しても良い)
〇法改正に合わせて更新された重要事項説明書
など

いくらITが進化したと言え、特定事業所加算の取得には第三者が見て【質が高い】と評価してもらえるほど、他の事業所とは違う取り組みを実施していることが必要です。

特定事業所加算の算定には、機器などの環境整備だけでなく、算定要件を満たすことが出来る情報、場所、人の3つが必要不可欠だと言えます。

特に『情報』については、全国的に実地指導で多額の返還事例が多く続いていることからも、整備することが困難であることが分かります。
※実地指導での具体的な返還事例:特定事業所加算実地指導による返還事例

 実地指導で多額の返還が出る理由


特定事業所加算は、以前の記事でお伝えをした通り、介護報酬が下がることが想定される今後の業界を生き抜いていくためには、取得が不可欠になってきます。

しかしながら、算定要件を満たした運用をしていくことは、情報、場所、人を用意し、いざ実地指導に入ってもお金を返すことの無いように正しく運用していかなければいけません。

実地指導で返還が生じた後、新たに弊社に申し込みのご相談を頂く事がありますが、事業所の皆さんがおっしゃる中で、共通しておっしゃる言葉が1つだけあります。

その言葉は、『知らなかった』という言葉です。

国や自治体が出す資料は、言葉も言い回しも曖昧な事が多く、使われる言葉も難しいです。
これでは読む人間によって捉え方も異なるだろうと思われるものが殆どです。

実地指導で多額の返還が出てしまった事業所は、悪意があったわけでも無く、不正を行っていたわけでもありません。
『特定事業所加算の算定要件を正しく知らなかった』
この1つだけなのです。

まとめ

審議会も始まり、次の法改正の内容について議論が始まりました!

新型コロナウイルスの影響は免れないと言っていいほど厳しくなることが予測されており、介護報酬は厳しくなることが予測されます。
その変わり、特定事業所加算を含め成果に対して評価する制度は加速することが予測されています。

平成30年に設立された加算は、この成果型報酬の先駆けと言われ、通所介護で機能訓練の結果ADLを維持できた事を評価するADL維持等加算、医療との連携を密にすることを評価した医療連携加算、そして介護業界を震撼させた特定処遇改善加算。
※特定処遇改善加算の詳細はこちら:特定処遇改善加算とは

私たちも常に最新の情報を入手し、皆さんにお伝えをしていきたいと考えています!
今後ともよろしくお願いいたします!

 


加算取得の取得シュミレーションはこちらから:加算獲得チェックシート(特定事業所加算 未取得の方向け)

実地指導前の準備はお済みですか?:返還診断チェックシート(特定事業所加算 取得済みの方向け)

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
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