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介護・医療 新型コロナウイルスは労災認定対象?!他の感染症も認めてもらえる?

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

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こんにちは!プロサポニュース部です!

新型コロナウイルスの感染者も少なくなって来ているとの報道が続き、期待せずにいられませんが、まだまだ先の見えない状態が続いています!

近頃では、新型コロナウイルスに関連した質問を多く頂いており、皆さんがいろいろな問題に直面されている事に頭が下がる思いです。

そこで今日は、頂く質問で多く寄せられた、
『コロナにかかったら労災認定されるのか?』について、
お伝えをしていきたいと思います!

新型コロナ 医療・介護従事者の感染原則労災に(厚労省)

結論から申し上げますと、原則労災認定を認めることを厚労省が発表しており、既にいくつかの請求が上がっている状況です。

 医療・介護従事者の感染は原則労災認定(厚労省)
厚生労働省が、新型コロナウイルスの感染者から労災認定の請求があった場合、感染ルートを厳格に特定できない場合でも、業務中に感染したとみられる事例を含めて認める方針だと固めました。すでに業務中に感染したと訴える請求が数件あり、今後も増えていくと見込まれています。

厚労省通知↓↓
https://www.mhlw.go.jp/content/000626126.pdf

通常は、感染ルートを厳格に示すことができない場合、労災認定がおりることは有りません。
感染者が多く、感染源も時間も特定が難しいため、インフルエンザ等の感染症では労災の認定が難しいのです。

今回は、『厳格にそれが示せなくても認めます』と発表されたことから、介護従事者の環境整備の一環として期待されていたニュースでした。

 

保険給付の条件

労災には、『業務災害』と『通勤災害』の2種類が存在します。
この2種類とも、新型コロナウイルスに感染した場合、認定を受けることが出来、下記の2点が認定の条件となります。

① 通勤を含む仕事中に感染したこと
② 仕事・労働の場所に原因があったこと

『仕事中に感染した可能性が高く、新型コロナウイルスの感染源が職場にあった』

この状態であれば、労災の認定がおりる可能性があるということです。

 

業務災害認定 業務が原因だと証明する際のポイント

では、労災認定を受けるための条件を見ていきましょう!

業務災害は、事業主の支配下にあるとき、業務が原因となって発生したもののみが対象になり、下記3項目のすべて証明される必要があります。

また、最終的な判断はこれらの証明をもとに、個別に労働基準監督署にて判定されることとなっています。

①発生原因
②感染してしまう環境・時間があった
③発症までの経緯と病状

今回厚生労働省は、『感染ルートを厳格に特定できない場合でも、業務中に感染したとみられる事例を含めて認める方針』としていますが、下記に記載した従来の証明については『示さなくてよい』とは言っていませんので、認定を受けたい場合は、これらを証明する必要があります。

① 発生原因が明らかであること
例)〇ご利用者が感染者で、自身が濃厚接触者である
  〇ご利用者が濃厚接触者で、自身が濃厚接触者と接触している 等
② 感染してしまう環境・時間があった
例)
〇濃厚接触者で観察中のご利用者の介護を週3回2週に渡って担当した 
〇陽性と判断されたご利用者の介護を2回担当した  等
③ 自身の発症までの経緯と病状
例)〇濃厚接触者と10日前に接触し、接触から5日後に38度の発熱があり、接触から10日後に検査にて要請の判定が出て入院した
〇陽性と判断されたご利用者の介護を最後に担当してから4日後に倦怠感を感じ、最後に担当してから10日後に37.6度の発熱があった。最後に担当してから11日目に保健所からの要請を受け検査を行った結果、自身も陽性と判断された 等

労災認定を受けようとした場合は、この3つを証明する必要があります。

 

通勤災害認定 業務のための通勤が原因だと証明する際のポイント

通勤災害における通勤とは住居と職場の往復が基本となり、原則はほかの場所へ立ち寄った場合は認められません。

ただし『就業の場所から他の就業の場所への移動』『診察や治療を受けるために病院に行く』等の立ち寄りの場合は認められる場合もあります。

通勤災害も業務災害と同じく、感染した場所が通勤時以外にないという事を証明する必要があることに注意が必要です。

〇通勤経路内で感染した可能性が明らかであること
例)発症の可能性がある期間に通勤以外で電車を利用しておらず、通勤時の電車で感染した以外の可能性がない

実際には、通勤でしか感染した可能性がないと証明することは難しく、労災認定となるのは業務災害が多くなることが想定されます。

また、業務災害の判定の場合も、労働の場に感染者がいたかどうか、またどのような状況でどれほどの期間感染のリスクにさらされていたのか、感染してしまってもやむを得ない状態にあったのかが判断基準となります。

最終的に、新型コロナウイルスの感染者と職場で長い時間濃厚接触をした結果、感染したのであれば、病気の発症から経過を見て医学的に矛盾がないかどうかが判定のポイントとなり、矛盾がなければ認定がおりるということです。

 

その他の感染症は労災認定されないの?

先に述べた通り、労災の認定には発生要因・発生時間が勤務中または通勤中だと医学的に判定されることが条件に挙げられます。

このため、季節性のインフルエンザ等の感染症は、
『発生要因が断定できない』『発生時間が断定できない』
場合は認定に至らない場合がほとんどです。

つまり、季節性インフルエンザ等の感染症も労災認定の対象ではあるものの、その証明ができないため、現実的には認定を受けることが難しいと言えます。

まとめ

新型コロナウイルスの感染が労災認定されるには、

① 業務又は通勤における感染機会や感染経路が明確に特定され
② 感染から発症までの潜伏期間や症状等に医学的な矛盾がなく
③ 業務以外の感染源や感染機会が認められない場合

この3つが大きな判定基準となります。

5月12日18時の厚生労働省が公開している資料では、医療福祉従事者の請求件数は23件(福祉職11件)の内、労災と決定された件数は0件の様です。

このことからも、労災認定は決して簡単ではないことが伺えます。

介護事業の事業主の皆様は、大切な職員が業務上で感染した場合に備え、感染者と濃厚接触をした具体的な事実関係を証明できるように、業務予定の確認や、1日の移動を含めた日報等で行動記録を残す等、指導をしなければいけません。

また、介護従事者の皆様は業務外で感染したと言われないために、普段から感染の可能性がある場所へは行かないことを徹底しなければいけません。

少しづつ明るい兆しが見えてきた新型コロナウイルスですが、まだまだ気が抜けない状態が続きますね!

今後も最前線で働かれる皆様の、少しでもお役に立てる情報や、実地指導、事業運営、加算取得の注意点等もお伝えしていければと考えています!

今後ともよろしくお願いいたします!

 

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〇加算獲得チェックシート(特定事業所加算 取得前の方はこちら)
https://pro-sup.com/documents/274/

〇返還診断チェックシート(特定事業所加算 取得後の方はこちら)
https://pro-sup.com/documents/402/

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